第3話「窪塚くんとキー」
- 豊田利晃
- 2021年3月26日
- 読了時間: 1分

3月19日、アンダカバーの寺田倉庫でのファッションショーで窪塚洋介と偶然逢う。内容の話しを少しする。マヒトが横で面白そうに聞いている。窪塚とは20年ほど前にNTTドコモのCMで出逢った。そのときはお互い坊主頭だった。17年前に主演映画を撮る予定だったが、それも流れた。『モンスターズクラブ』に出演してもらい、『破壊の日』も飛んで来てくれた。舞台『怪獣の教え』では主役を演じてもらったが、映画ではまだない。いくつかの企画はあったが実現しなかった。すべてはタイミングだ。
タイミングを向こうから合わせてくるのは渋川清彦だ。僕の全作品に出演している唯一の俳優。窪塚とキーは『怪獣の教え』で共演している。キーとはなんやかんや月に一度は呑んでいる。今日は和泉多摩川の焼き鳥屋で酒を呑む。映画祭用の動画を撮影する。映画の内容についての話しをしながら、間合いをはかる。最近、キーがハマっているというルースターズを店でかけてもらう。「ここがヤバい」と細かい演奏のニュアンスを僕に教えてくれる。焼酎を重ねながら、「今日は酔いつぶれない」と酔いつぶれていく。キーの写真集がもうすぐ発売される。帯は僕が書いた。「渋川清彦はカメラの前で影を残す。」。写真集がでるほどの役者になったことを僕も誇りに思う。
2021年3月26日 豊田利晃
Comentarios